暖簾の由来

暖簾を楽しむたのめの知識

日本では古来から、日光や風が直接家屋の中に入ることを防いだり、建物の中が
外から見えないように布や竹、葦などを用いて外と内を仕切る習慣がありました。

冬は厳しい寒さを防ぐために厚い布を用いたり、夏には風を通すような薄手の布や
細竹などを用いたりしていました。

これらの仕切りのうち冬用のものを「暖簾」、夏用のものを「涼簾」と呼んでいましたが、
このうち夏用の涼簾は単に「すだれ」と呼ばれるようになりました。

万葉集に秋の風ですだれが動く様子を歌った和歌があり、すだれの歴史は
奈良時代にまでさかのぼることが分かります。

現在では、横方向に垂らす掛け簾や縦方向に立てて使う立て簾が主流になって、
特に夏の時期に多く使われています。

のれんを染める夏

のれんとすだれの使い分けテクニック

のれんは、布を上から吊り下げて室内の仕切りに使うものですが、扉やついたてに比べると柔らかく、
風を通すため開放感を感じることができます。

そのため、インテリアとして様々な使い方をされています。
ちょっとした目隠しになるような丈の短いものや、天井から床まで届くような丈の高いものもあります。

部屋と部屋、部屋と廊下の仕切りをしたいけれど、扉やついたてを使うと閉塞感を感じる場合や
季節ごとに模様替えをしたい場合に用いることができます。

部屋の仕切り

本来のれんは「あたたかいすだれ」として冬用のものでしたが、現在では夏でも
薄手の軽い布を使うことで明るさを保ち、風を通す快適な空間作りをすることが可能になります。

布地ですから、その場所や季節にあったデザインを染め抜いたものも使えるため、
取り替えることで簡単にイメージチェンジをすることができます。

日本伝統のインテリアですが、色合いやデザインを選択することで、洋風の部屋にも合わせるような使い方も考えられます。

すだれの方は、竹や葦を主に使うことから現在では窓の外などに垂らしたり、建物に立てかけたりする
暑さ対策として使うことが多いようです。特に強い西日を防ぐために使われているすだれは夏の風物詩となっています。

現在も形を変えず使われ続けるのれん


冬に使っていた「暖簾」は、次第に商業で開店していることを表すものとなり、
開店の時に店先にさげ、閉店の時には店内にしまうという習慣が定着するようになりました。

のれんに商号や商うものを意匠化して染め抜いたものが使われるようになると、
本来の風や寒さを防いだり、目隠しの役目を果たすという実用的な使い方に加えて
開店・閉店やお店の格式・信用といった象徴的な使われ方がされるようになりました。

現在でも一般家庭のインテリアに加えて商店や飲食店の店先に使用されています。

 

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